real men wear black
ブラックミュージック遍歴② ~初めてのファンク・アルバム~
Real Men...Wear Black/Cameo


『Lovesexy』で衝撃を受けて以来、プリンスのアルバムを1st『For You』まで遡って購入し、貪るように聴いていくうちに、自分の音楽の嗜好がブラックミュージックにあることを徐々に自覚していった。時はニュージャック・スウィング全盛。だが、ガイやキース・スウェットの曲をラジオでエアチェックしても、あまりシックリと来なかった。当時スターダムに伸し上がったボビー・ブラウンの『Don't Be Cruel』はアルバムを購入したが、愛聴するには至らなかった。80年代後半に流行ったフレディ・ジャクソンやグレゴリー・エイボット(懐かしッ)なんかのブラコンものもダメで、たぶん自分はクロい音楽が好きなハズなのに、当時の流行の黒人音楽のサウンドにまったくハマらないというジレンマを抱えていた。
90年前後に好きだったのは、テイシャーン『On The Horizon』、アリソン・ウィリアムズ『Raw』、メイズ『Silky Soul』など、オールドスクール懐古的なソウル・ミュージックや、UKのソウルⅡソウル『Club Classics Vol.Ⅰ』なんかのグラウンド・ビートもの。他に、オマー『There's Nothing Like This』やトーキング・ラウドのレーベル・コンピも気に入っていて、今思えば、70年代のソウル/ファンクにどっぷりとハマる下地はこの頃にできていたのだなぁと思う。
そんななか、このキャメオ『Real Men...Wear Black』も当時よく聴いたアルバム。で、おそらく初めて聴いたファンク・アルバムだ。キャメオ(当時の日本での呼称は「カメオ」がデフォルトだったが)は、86年の大ヒット「Word Up」は大好きな曲で、テープに録ってよく聴いていて、これも今にして思えば「Word Up」は初めて好きになったファンク・ナンバーだったのだが、当時アルバムを買うには至らなかった。
この『Real Men...Wear Black』、正直今ではほとんど聴くことは無いし、『Cameosis』、『Feel Me』、『Knights Of The Sound Table』といった80年代初頭に連発した傑作群と比べるべくもないのだが、ファンク不毛の80年代をザップ/ロジャーと共にほぼ唯一サヴァイヴしたバンドだけに、その矜持とオリジナリティはアルバムの端々から感じられる。「Close Quarters」「I Want It Now」は、往時よりは幾分軽いとはいえ、キャメオ・マナー炸裂のファンク・チューンで、この辺は今でも十分に聴ける。「Me」や「Attitude」「Get Paid」なんかはいかにも90年当時のプロダクションで、今の耳にはちょっとスパイシーかも。やはり全盛期よりは薄味ではあるけど、「Time,Fire & Space」「Just A Broken Heart」みたいなスロウも悪くない。