food for thought
70年代10大ファンクバンド②
Food For Thought/JB's

ゴッドファーザー・オブ・ソウル、ハーデスト・ワーキング・マン、ファンキー・プレジデント…、ジェイムス・ブラウンは数多くの異名を持つけれども、そのどれもが、この真に革新的なファンク・ミュージックのオリジネイターを最大級に讃えるものだ。その創造性のピークは60年代末から、ブーツィー等いわゆるオリジナルJB’sを従えた70年代初め頃までだろう。ブーツィー&キャットフィッシュ、ジョン・"ジャボ”・スタークス、クライド・スタブルフィールド、フレッド・ウェズリー等を擁したバンドは、「Sex Machine」、「Super Bad」、「Give It Up Or Turnit A Loose」、「Talking Loud And Sayin' Nothing」、そして「Soul Power」などの燦然と輝くファンク・クラシックを残した。JB御大、そして彼のバンドがいなければ、以降のファンク・サウンドやヒップホップは 存在しなかっただろう。
この『Food For Thought』は、72年にリリースされたJB's名義での初アルバム。既にコリンズ兄弟とクライドはバンドを去り、フレッドがバンマスとしてJBを支えていた時期。強力なファンク・マシーンであった天才ベーシストと剛腕ドラマーを欠き、イノヴェイターとしての役割は終えた70年代前半のJBだが、フレッドの献身とスター・プレイヤー、メイシオの帰還により、まだまだ聴き逃し厳禁の傑作ファンクを量産していた。『Food For Thought』は、それまでにリリースされたシングルの寄せ集めではあるけど、ブーツィー含むメンバーでの録音を2曲含み、アルバムとしてのまとまり、充実度も高い。もちろん御大もうるさく口出し手出ししているが、JBのソロ曲よりもジャジーなアレンジが施されているあたり、フレッドの力量が十二分に示されている。いわゆるジャズ・ファンクのなかでも古典的な名盤と位置付けられているように思う。
ゆったりとしたテンポでグルーヴする、黒いガヤも堪らない路地裏ジャズ・ファンク「Pass The Peas」「Gimme Some More」は典型的なJB’sスタイル。サントラ『slaughter's Big Rip Off』にも収録された「To My Brother」は、ギターのカッティングがファンキーなブラックスプロイテーション感横溢のファンク。アルバム中で最もジャズ寄りの「Blessed Blackness」はクール&グルーヴィーな、まさに濃厚なブラックネス。オリジナルJB’sによる2曲のうち、「The Grunt」はトグロ巻くようなグルーヴが圧巻のへヴィー・ファンク。もう1曲の「These Are The JB's」は抑制されたグルーヴのシブいファンクで、いずれ劣らぬ傑作。