rejuvenation
70年代10大ファンクバンド④
Rejuvenation/The Meters

60年代後半にJBが巻き起こしたファンク革命の火の手は、瞬く間に全米に燃え広がり、60年代末頃になるとJBスタイルのファンキーなバンドが各地に乱立するようになるが、このファンク勃興期に、JBとはまた違うスタイルのファンキーな音楽を引っ提げて飛び出してきたのが、西海岸のスライと、ニューオリンズのミーターズだ。
ミーターズのサウンドは、音数が少なくスカスカなのに、まるで彼の地の湿地帯のようにドロドロにぬかるんだグルーヴが特長で、それは特に69~70年にジョシーからリリースした最初の3枚に顕著。独特のタメと間でグルーヴを紡ぎ出すジョセフ・”ジガブー”・モデリステのドラムス、ジガブーと絶妙な呼吸で押し引き自在のリズムを繰り出すジョージ・ポーター・Jrのベース、時に呪術的な、時にアーシーなオルガンを奏でるアート・ネヴィル、ユルユルとファンキーなワウを噛ますギターのレオ・ノセンテリ。たった4人で演奏する魔法のグルーヴは非常にユニークで、いわゆるニュー・オリンズ・ファンクの雛形となったばかりか、プロデューサー=アラン・トゥーサンとの共同作業はロック業界からも引く手数多となり、数々の外部仕事をこなした。また、昨今のいわゆるジャム・バンドと呼ばれる連中にも影響を与える存在でもあるようだ。
この74年作『Rejuvenation』は、リプリーズに移籍してからの2作目。ジョシー時代のいなたくも魅力的なサウンドから幾分洗練され、ヴォーカル・パートの強化とホーン・セクションの一部導入で音が分厚くなりファンク・バンドとしての完成を見たアルバムで、収録されたファンク・チューンはいずれも逸品。
アルバム冒頭の「People Say」から、リズム隊の絶妙なコンビネーションから生まれるグルーヴに、鍵盤とカッティングが緩く絡んでくるミーターズ流儀。アルバム中で特に好きなのが、ジガブーが激重ドラムスを叩き込んでくるバイユー感横溢のドロドロ・スロー・ファンク「Just Kissed my Baby」と「Jungle Man」。ツボ押しまくりのノセンテリのスクラッチ・ギターも最高にファンキーだ。セカンド・ライン的な祝祭感の「Hey Pocky A-Way」は、アートのいかにもニュー・オリンズらしいピアノが転がる代表曲のひとつ。「Africa」は、タイトル通りニュー・オリンズからカリブ海の向こうに大陸が見えるような土着的なファンク。スリリングなインプロヴィゼーション地獄が延々続く長尺曲「It Ain't No Use」は、アートのヴォーカルが哀愁誘う異色のファンク・ロック。