thats the way of the world

70年代10大ファンクバンド⑩
That's The Way Of The World/Earth,Wind & Fire

70年代で最も成功したファンク・バンドがアース,ウィンド&ファイアであることは間違いない。75年以降に出てきたファンク・バンドのほとんどがアースの影響下にあったのだから、その影響力の大きさは凄かったのだろう。アース風のホーン・アレンジ、アースっぽいサウンド、アースくさいメッセージ、フィリップ・ベイリーみたいなファルセット・ヴォーカルは、この時代の数多くのバンドによってコピーされている。個人的には、Pファンクで産湯をつかったこともあって、どちらかと言うとポップなファンクであり、やがてディスコ・サウンドに傾倒していったアースを、長い間敬遠して聴かずにいた(実は今でも『太陽神』までしか聴いていない)。70年代末のディスコ禍は、何もアースに限ったことではなく、ほとんどのファンク・バンドがディスコに掠め取られ死んでいったのだが、アースはその存在の大きさ故に、あの時代のファンク・バンドの栄枯盛衰の典型のように見做されるのは、何だか憐れではある。その点、ディスコ禍にもあまりブレなかった(ちょっとだけブレた)クリントンは改めて偉大だと思う。
ファンク・バンドとしてのアースを考える時、代表作として挙げたいのはやはり75年の『That's The Way Of The World』ということになる。ジャズやアフリカ、ブラジル音楽へのアプローチは以前から再三試みていたのだが、このアルバムではそれら様々な要素が、角が取れ滑らかに融合し、非常に高い完成度を誇っている。ブチブチのベースとカッティングがカッコいい大ヒット曲「Shining Star」は、アースを代表するファンク・チューン。タイトル曲「That's The Way Of The World」は、メロウで多幸感溢れるミディアム。フィリップのファルセットが映える「Happy Feelin’」は、カリンバが疾走するグルーヴィーな傑作ファンク。臭みのあるファンク「Yearnin' Learnin'」もいい。タイトルどおりのアフリカン・ジャズ・ファンク「Africano」、ジャジーなブラジリアン・メロウ「See The Light」はアースのハイブリットな音楽性を見せつける。
2曲あるバラードのうち、フィリップの名唱が聴ける「Reasons」はファンからの人気も高い曲。一方、モーリスがリードを取る大仰で説教くさい「All About Love」は、個人的には苦手なタイプの曲。アースのアルバムには、この手の説教じみたモーリスが歌うバラードが必ず1曲は入っていて、この辺りもアースを遠ざけてしまう一因になっているかも。