parade
Parade/Prince & The Revolution
 Warner '86

このアルバムを初めて聴いたのは中3の頃。『Lovesexy』にハマって、次に何故か一つ前の『Sign Of The Times』ではなく、妖しげなモノクロのジャケットに魅かれたのか、更にもうひとつ前の『Parade』を買った。
『Parade』の、この不可思議な音像というか、音の隙間が目立つスカスカなサウンド、奇妙に捻じれた異次元の感触に、強烈に惹きつけられ、しばらくはこのアルバムばかり聴きまくっていた。
レヴォリューション名義の最終作だが、やはり前2作同様、プリンスの押し付けがましいまでのパーソナルな音楽。ウェンディ&リサをはじめ、メンバーも演奏や曲づくりの一部に関わっているのだろうけど、圧倒的なプリンスの才能と個性にアルバムは支配されていて、バンド・メンバーの存在など露ほども感じられない(ベースのブラウン・マークなど、一体何をしていたのだろう)。
1曲目、異様なドラムスの残響音が衝撃的な「Christopher Tracy's Parade」から、パーカッションとベース、スティール・ドラムだけのスカスカ・ファンクの極み「New Position」、そこからシームレスに繋がっていくダウナーな「I Wonde U」。トータル10分に満たないこの頭3曲だけで、並みの傑作(という表現もおかしいが)10枚分ぐらいの価値がある。
ふにゃふにゃ、スカスカのファンク「Girls & Boys」から、唐突に始まる「Life Can Be So Nice」への落差が物凄い。この曲だけは、これでもかと言わんばかりに音を詰め込みまくっていて、この辺の意表をついた展開も飽きさせない。
アルバム後半は、ファンキーなロック・チューン「Mountains」、フレンチ・ポップ風の小品「Do U Lie?」、そしてスカスカ骨格ファンクの最高傑作「Kiss」。基本、ドラム・マシンとキーボードのみで、要所で挟み込むファンキーなギター・カッティングが最大限の効果を生んでいる。Pファンクみたいな数珠繋ぎタイトルの「Anotherloverholenyohead」は、アラビックなシンセ・フレーズがPっぽいミッド・ファンク。ラストはアコギ弾き語りの名バラード「Sometimes It Snows In April」で、静かな余韻を引きずりながらあっという間にアルバムを聴き終えてしまう。