in the jungle groove
In The Jungle Groove/James Brown
 Polydor '86

80年代後半、イギリス発のレア・グルーヴ・ムーヴメントやDJカルチャー、ヒップホップまで多大な影響を及ぼした(らしい)、JBコンピの決定版。もちろん当時はそんなこと知る由もなく、このアルバムを初めて手にしたのは90年代に入ってから。70年前後のJB絶頂期の音源をコンパイル、2003年に音質向上&1曲追加して再リリース。ついでにジャケットもモノクロだったのを色味のあるものに変更(写真は03年版)。「Sex Machine」「Super Bad」が抜け落ちているのはクラブユースな視点で選曲されたため、というのも何だか意味不明だが、そこは『Funk Power』かヒップOの『The Singles Vol.7』で補完するとして、今だにこの『In The Jungle Groove』がJBファンクの最も美味しいところを過不足なく収めた最高の編集盤であることに変わりはない。
1曲目の「It's A New Day」は69年の傑作ファンク。シャウトしまくるJBはキレッキレ。史上最もサンプリングされた曲、と言われる「Funky Drummer」は嬉しいロング・ヴァージョン収録。クライドの神ドラムに悶絶。3曲目以降は、いよいよブーツィー登場、オリジナルJB'sによるグレイト・ファンクが続く。「Give It Up Or Turnit A Loose」はクライドとブーツィーのリズム・セクションによる、ウネりまくるグルーヴの渦に、ジョニー・グリッグスのアフロなコンガ、咆哮するホーン・セクションがグルングルンに絡まって凄まじいことになっている。未発表曲「I Got To Move」はホーン主体のゆったりとしたグルーヴと思いきや、ブレイク部分では地の底から揺さぶるようなヘヴィー・ファンクへと変貌。アルバム後半は「Talkin' Loud And Sayin' Nothing」「Get Up,Get Into It,Get Involved」「Soul Power」の3連弾で大炎上。「Soul Power」は71年1月の録音、ブーツィーらは3月に脱退しているので、おそらく「Soul Power」がブーツィー在籍時の最後の録音だと思うが、この頃になるとクライドは抜け、フレッド・ウェズリーが戻ってきている。ジャボとブーツィーのコンビネーションは鉄壁で、黄金ファンクの量産体制に入っていただけに、このメンツでオリジナル・アルバムをリリースしなかったのは何とも残念ではある。また、アフリカ・ツアーでナイジェリアを訪れた際に、フェラ・クティのステージを見た若い連中は大いに刺激を受けたらしく、特に「Soul Power」あたりにはその影響が垣間見れるように思う。
ブーツィー他数名が脱退後、新体制で録音された「Hot Pants」。後任のフレッド・トーマスは、ブーツィーほどのグルーヴ・マスターではないけれど、なかなか太いベースでジャボとガッチリ咬み合っている。オリジナルJB'sは、プレイヤーが真剣で鍔迫り合いするような鬼気迫るファンクだったが、「Hot Pants」以降はバンド全体がユルい間合いでグルーヴする感じで、ファンクの質が変わってきている。追加収録された「Blind Man Can See It」は72年の録音、反復フレーズでジワジワとグルーヴを焚きつける、しぶといファンクで、このコンピの価値を更に押し上げるナイスなボーナス・トラック。