perfect circle
We're #1/The Perfect Circle
 Inner City '77

ジョージ・センパー主宰のベイエリアのインディ・レーベル、インナー・シティ・レコーズからリリースされたファンク・バンド、パーフェクト・サークルの怪しげな手書きジャケットがクロ過ぎる唯一のアルバム。
これが期待に違わぬかなりの傑作で、こんなドマイナーな作品ながら、かのUSブラック・ディスク・ガイドに掲載されたのも納得の出来。

ベイエリア産らしい切れ味鋭いリズム隊、分厚いホーン・セクションのグレイト・ファンクが吹き荒れる。猛々しいホーン・セクションとリズム隊の繰り出す深いグルーヴに腰が揺れるインスト・ファンク「Dip Stick」、全盛期のタワー・オブ・パワー並みにタイトなベイエリア・ファンク「For Your Funkification」は、アーニー・アイズレー調のギターも垂れ流し最高にカッコいい。

猥雑なアングラ感が堪らないヘヴィー・ファンク「Jungle Disco」、重心低く攻めるロウ・ダウン・ファンク「Spread The News」、バンド名をタイトルに冠した「The Perfect Circle」はディープなファンク・グルーヴが脈々とウネるジャズ・ファンク・チューン。
「The Hands Of Time」は「For Your Funkification」のロング・ヴァージョンだが、よりタフで骨太なグルーヴに貫かれている。分厚いホーンがヒットしまくるスリリングに疾走するファンク・チューン「Peaceful Funk」など、アルバムの大半を占めるファンク・ナンバーはどれも素晴らしい。

一方で、オハイオ・プレイヤーズ風のスウィート・スロウ「This Love Is Mine」、イナタく不器用なバラード「I'll Always Love You(Girl)」と、2曲あるスロウ系も意外にイケる。