boobie knight
Boobie Knight & The Universal Lady
 Dakar '74

1972年にはソウルサイエティというバンドを率いてRCAから1stアルバム『Soul Ain't No New Thing』をリリースしていたドラマーのブービー・ナイト。その2年後にはバンドの名義をユニヴァーサル・レディにバンドに変え、ブランズウィック傘下のダカーから2ndアルバムとなる本作をリリース。
ソウルサイエティはブービー含めて7人組のバンドだったが、本作では9人編成へと増員。1stのジャケットと本作の裏ジャケのメンバー写真を見比べてもよく分からないのだが、おそらくメンバーの何名かは両作に共通していると思われる。

巨大アフロに白いハット、大きくヘソの辺りまで開いた白い衣装という出で立ち。まるでブーツィーな雰囲気のブービー・ナイトに、横たわる裸の女性のイラスト。プンと臭ってくるようなこの強烈なジャケットからしてファンク・マニアを擽る。野卑で猥雑なファンク・グルーヴは、ジミー・キャスターあたりに近い印象で、これはB級なれど侮れないファンク良盤。

バリバリ吹き荒れるホーン・セクション、エッジを効かすパーカッション、鋭角に切り込んでくるロッキッシュなギター、ムンムンと汗臭く男臭いヴォーカルが熱く突っ走るファンク・ナンバーがやはり良い。
野卑な集団ヴォーカルでワサワサと盛り立てるバーバリアン・ファンク「Feeling My Cheerios」、痙攣するようなギター・リフもドファンキーな「Burn The Saturday Night Fever」、これもいちいちリフがカッコいい「Somebody Touch Me(In The Right Place)」、むせ返るような暑苦しさが堪らない「Flaming Youth」、エッジの効いたギター・カッティングとホーンに乗せられて踊り狂うJBスタイルのファンク「Ain't Nobody Betta Dan You」、ゴツゴツしたファンク・グルーヴで形振り構わず突き進む「Earth Creature」など、どれもこれも熱く濃いリビドーを駆り立てるような激烈ファンクで最高だが、中でもSEX連呼の痛快馬鹿ファンク「The Lovomaniacs」にトドメを刺す。

他にも、意外なドリーミー・メロウ「April」、陽性のグルーヴが朗らかなソウル・ナンバー「Power Greater Than Man」グループ・スタイルのスウィート・バラード「A Woman Will Make You Love」なんかも何気に良い。