hang on in there
Hang On In There/Mike James Kirkland
 Bryan '72

マーヴィンの『What's Going On』は当時のソウル・ミュージックに甚大な影響を与えたが、翌72年にリリースされたこのアルバムは、まさに『What's Going On』的なアルバム・コンセプトとサウンドで、当時はまったく売れなかったと思われるが、今ではニュー・ソウル裏名盤として名高い作品。
ジェイムス・ギャドソン、アル・マッケイ、レイ・ジャクソンら、ワッツ・103rdストリート・リズム・バンドの面々による、西海岸的なグルーヴィー・サウンドは、ニュー・ソウル好きには堪らない気持ちよさ。主役の耳当たりの良いヴォーカルも心地よい。マイナーな曲調で重いベースとパーカッションのグルーヴ、怪しげなフルートがいかにもニュー・ソウルな「What Have We Done」でスタート。続く「Where's The Soul Of Man?」は一転、開放感溢れるミディアム・スロウで、翌年のカーティス「Back To The World」を彷彿とさせる。タイトル曲「Hang On In There」も重心の低いベース・ライン、乾いたギター・カッティング、緊張感を煽るストリングスがニュー・ソウル・マナー。ここまで(A面)、曲間を排し流れるように繋いでいくあたりも『What's Going On』を踏襲している(やや強引に展開する場面も含めて)。
以降の曲はニュー・ソウル色はやや薄くなり、ラヴ・ソング主体ながら、やはりグルーヴィーな良い曲が揃っている。フォー・トップスのカバー「Baby I Need Your Loving」、ちょっとゴツゴツしたリズムのミディアム「Give It To Me」、ウォーム&テンダーなスロウ「Blota Blota」、ノーザン・テイストのグルーヴィー・ソウル「You're Gonna Share Your Love」、ラストはメロウなミディアム「It's Alright With Me」。