unlimited
Unlimited!/Roger
 Reprise '87

ザップ/ロジャー最大のヒット「I Want To Be Your Man」はリアルタイムで聴いて気に入っていた。当時、エア・チェックしたテープをよく聴いていたが、この曲を含むアルバム『Unlimited!』を聴いたのは、たぶん93~94年頃のことだと思う。ほどなくして、ザップの5枚とロジャーのソロ4枚は全て揃えた。80年代前半の全盛期のアルバムはどれも傑作だし、91年にリリースしたロジャー存命時最後のアルバム『Bridging The Gap』も好きな作品だけど、本作を含む80年代後半の3作はあまり好きになれなかった。85年のザップ4作目からドラムが打ち込みになり、それがまだまだこなれていない感じで、90年代半ばのヒップホップ・ソウルを通過した耳には随分と古臭い音に聴こえていたものだが、これが今聴くと結構イイ塩梅だったりする。
エレクトロ~ブギー・ファンクの「Night And Day」「Thrill Seekers」とか、時代が2周ぐらい廻った今ではなかなか気持ち良く聴ける。「Tender Moments」は、前年に大ヒットしたキャメオ「Word Up!」みたいな音がちょっと出てきたりして面白い。「Private Lover」はどことなくミネアポリス臭い。やっぱプリンスのことは意識していたのかな。お約束のジャジー・インスト「Composition To Commemorate(May 30,1918)」、JBカバー「Papa's Got A Brand New Bag」も楽しく聴ける。
もちろんアルバムの白眉はドリーミーでスウィートなスロウ「I Want Be Your Man」だ。トーク・ボックスの人工的な声を、これほど肉感的に響かせることが出来るのは流石だ。まったりと余韻に浸る続編の「I Realy Want To Be Your Man」もいい。