controversy
Controversy/Prince
 Warner '81

プリンス最初の傑作『戦慄の貴公子』。
前作『Dirty Mind』の「Head」あたりでモノにした独自のファンク・サウンドを、このアルバムと次の『1999』で大々的に展開することになる。これらのアルバムで聴かれる音は、ザ・タイムなどの周辺プロジェクトに留まらず、ミネアポリス・サウンドという呼び名で全世界的に流布していくことになる。
肉体的なファンクと、ニュー・ウェイヴ的なチープでエレクトロなサウンドを結び付け、非常にソリッドなグルーヴを生んでいる。タイトル曲「Controversy」は、終始刻み続けるストイックでファンキーなカッティングが最高な、プリンスのファンク・チューンの中でも相当上位に位置する傑作。「Sexuality」も同系統のファンクでこれも凄い。一方、「Head」の路線を更に突き詰めていったのが「Let's Work」で、典型的なミネアポリス・ファンクのこれまた傑作。その他、ポップでニュー・ウェイヴ色の強い「Private Joy」、シリアスな「Annie Christian」、エレクトロなロックンロール「Jack U Off」など野心的な曲が並ぶが、殿下がファルセットで悶絶するエロ・バラード「Do Me Baby」は、何か見てはイケナイものを見てしまったような気分にさせる、背徳感溢れる名曲。