feel me
Feel Me/Cameo
 Chocolate City '80

80年代のファンク・バンドとしてはザップと双璧をなすキャメオ。80年代を通してヒットを飛ばし、精力的に活動を続けたバンドだが、やはり大所帯時代の80年代初期にリリースした『Cameosis』『Feel Me』『Knights Of The Sound Table』と、一気にバンドをシェイプアップし勝負に出た82年の『Alligator Woman』、この4枚が傑出している。なかでも、バンドの雰囲気が伝わってくるジャケットも最高な、この『Feel Me』は個人的に一番好きなキャメオのアルバム。
この時点でメンバーは総勢10人。前作『Cameosis』で素晴らしいファルセット・ヴォイスを聴かせていたウェイン・クーパーは亡くなったらしく、このアルバムではもうウェインの声を聴くことができないのは残念だが、それでもヴォーカル陣はまったくパワー・ダウンしていない。演奏陣もキレッキレ、更にタイトになった剃刀ファンクは向かうところ敵無し。オープナーの「Throw It Down」はラフな感じのグルーヴィーなファンクだが、軽~くやってるのに余裕のカッコよさを見せつける。「Your Love Takes Me Out」は、「Shake Your Pants」タイプの典型的なキャメオ・マナーのファンク・チューン。ラリー・ブラックモンのリズムに対する嗅覚の鋭さを感じさせるタイトでソリッドなファンクで、変幻自在に展開していくヴォーカル陣も凄い。そしてキャメオの曲の中でも一番好きな「Keep It Hot」は、離着陸を繰り返すベース・ラインが堪らないミッド・ファンク。ラリーの例のファンク・ヴォイスもバッチリ決まって言うこと無し。ちょっとアースっぽい「Is This The Way」は、哀愁味のあるグルーヴィー・チューン。「Roller Skates」はPファンク風のヘヴィー・ファンクだ。
一方、毎度定評のあるスロウは2曲。セピア色のメロディがノスタルジックな「Better Days」もいいが、やはり何と言ってもタイトル曲の「Feel Me」。キャメオ独特のチョコレイト色のコーラスに包まれるムーディーな傑作スロウだ。