stone jam
Stone Jam/Slave
 Cotillion '80

オハイオ出身のバンド、スレイヴの5作目『Stone Jam』。これは、80年代屈指のヘヴィー・ファンク・アルバム。
リーダー、スティーヴ・ワシントンを中心に、ドラムスのスティーヴ・アーリントン、ベースのマーク・アダムスによる重量級リズム・セクションがゴツゴツしたファンク・ビートで迫る。特にマーク・アダムスのベースは鋼のような硬度と重さでブンブン振り回す豪腕ベーシスト。アーリントンはヴォーカルも取るが、キース・スウェットにも影響を与えたに違いない個性的な歌は妙にクセになる。ヴォーカルは他に、ワシントン子飼いのグループ、オーラのスターリナ・ヤングを起用。ひび割れたアスファルトから生く草の芽のように、剛球ファンクに清涼感をもたらしている。
「Let's Spend Some Time」「Feel My Love」「Starting Over」の頭3曲はスターリナ・ヤングがリード。「Let's Spend Some Time」は疾走感のあるポップな曲調のファンク・ダンサーだが、ボトムはヘヴィ。キュートな声質でグイグイ歌い込むヴォーカルが激アツ。ファンクなベースがグルーヴを牽引するミドル「Feel My Love」、清涼感広がるミディアム・スロウ「Starting Over」と、ここまで素晴らしい流れ。しかし、アルバムはここからファンクの業火に焼き尽くされる展開。
あまりに重くハードでアッパーな「Sizzlin' Hot」で唖然。アーリントンが例のメェメェ唱法でこねくり回す「Watching You」はまだいくらかポップな感触があるが、鋼のグルーヴで猪突猛進する「Dreamin'」「Never Get Away」の尋常でない勢い、ラストのタイトル曲「Stone Jam」は、まさに巨大な岩石がゴツゴツとぶつかり合うようなヘヴィー・ファンクの嵐。
この後、スティーヴ・ワシントンはスレイヴから脱退。何とパーレットのジャネット・ワシントンが嫁で、嫁を通じてクリントンに接近、80年代暗黒時代のクリントンを支えることになる。