hip hug her
Hip Hug-Her/Booker T.& The MG's
 Stax '67

スタックスのハウス・バンドとして、オーティスやサム&デイヴをはじめ数々の60年代サザン・ソウル重要作の現場に立ち会ってきたMG's。ドラムス、ベース、ギター、オルガンという編成はミーターズと同じだが、実際ミーターズにも少なからぬ影響を与えていたと思われる。また、初期のスライはスタックスからの影響が露わな曲も多く、黒白混合のバンド編成は(白人主導だった当時の南部のスタジオではごく普通の光景だったが)、スライのヒントになったのかもしれない。そういう意味では、ファンク黎明期にMG'sの果たした役割は大きかったと言える。
MG'sはバンドとしても多数アルバムをリリースしているが、コレは時代を感じさせるヒップなジャケットもイカすバンド最充実期のアルバム。まずはファンキーなタイトル曲「Hip Hug-Her」が最高。アル・ジャクソンJrのドラムスとドナルド・ダック・ダンのベースが牽引するグルーヴィーなリズム、ブルージーなスティーヴ・クロッパーのギター、痙攣するようなリフをキメるブッカー・Tのオルガン、バンドが一塊になったソウルフルなウネりが押し寄せる。
その他、バンドのオリジナルとなる「Soul Sanction」「Double Or Nothing」「Slim Jenkin's Place」や、当時のヒット曲のカバー「Get Ready」「Groovin'」「Sunny」など、どの曲も土臭いスタックス・グルーヴが楽しめる。