cookin from the inside out
Cookin' From The Inside Out!!!/Mico Wave
 Columbia '87

ブーツィーのプロデュースによる、マイコ・ウェイヴ唯一のアルバム。
翌年の『What's Bootsy Doin'?』同様にエレクトロな質感のサウンド。一応、Pファンクにカテゴライズされる作品だが、80年代後半にデビューした黒人ソロ・アーティストがプリンスに影響されないハズもなく、ナヨったヴォーカルとロックっぽさもあるサウンドは殿下フォロワーと言っていいかも。また、トーク・ボックスやハーモニカを取り入れるなど、ロジャーからの影響も大きい。
ファンク・チューンでは頭の2曲が抜けていて、1曲目の「Star Search」からミネアポリス臭漂うスタイリッシュなデジタル・ファンク。途中にジャジーなピアノ・ソロを挟みつつ凝った構成で聴かせる。続く「Misunderstood」はプリンスっぽい地声に加えトーク・ボックスも動員したファンク・チューン。ハーモニカも効果的に絡め、Pファンク+プリンス+ロジャーといった感じのファンク大作。また、トーク・ボックス入りの人気のスロウ「Instant Replay」は、否応にもロジャー「I Want To Be Your Man」を連想させるメロウ・チューン。
その他、「First Impression」や「It Happens Everytime」などのチープでエレクトリックなダンス・ナンバーは、プリンスがお遊びで変名でリリースしたと言われてたら信じてしまいそうな曲(マイコ・ウェイヴという名前も、丁度この当時のプリンスのバンドのギタリスト、ミコ・ウィーヴァーみたいで、いかにも殿下がシャレで付けそうな名前だ)。一方、トーク・ボックスでリードを取る「Sleeping Single」は、ロジャー「Thrill Seekers」タイプのソリッドなファンク・ダンサー。日本の80年代アイドル歌謡にありそうなメロディがダサい「Can We Love Again」、ロッキンでこれまたサビのメロディがダサい「American Dream」あたありはちょっとツライが。