superfly
Superfly/Curtis Mayfield
 Curtom '72

ブラックスプロイテーション映画のサウンド・トラックの金字塔にして、問答無用の大名盤。
『Superfly』は映画、音楽ともに大ヒットしたが、このサントラ盤はカーティスの最もヒットしたアルバムであるだけでなく、この年最も売れたブラック・ミュージックのアルバムだとか。
緊張感を煽るストリングス、焦燥感を駆り立てるアフロ~ラテンなパーカッション、軋みをあげ粘りつくワウ・ギター、ストリートの現状を淡々とクールに告発するカーティスのファルセット。凄まじい完成度を誇り、映画以上に映像的とも言える音楽。音の向こうから路地裏のくすんだ状景が立ちあっがってくるような素晴らしいオープニング「Little Child Runnin Wild」。噛みつくようワウ・ギターと土臭いパーカッション、地を這うベース・ラインがジワジワと焚きつけるファンキーな「Pusherman」、ベース、ギター、ホーン・セクション、ストリングスまでが強力無比なリフを打ちつけるファンク「Freddie's Dead」。ストリングス・アレンジも震えが来るような素晴らさ。「Junkie Chase」はタイトルどおりチェイス感満載の、いかにもサントラ然としたスリリングでファンキーなインスト小品。艶っぽいスムーヴ「Give Me Your Love」は、カーティスのファルセットも淫靡に響く。
「Eddie You Should Know Better」は比較的地味な曲だが、これもストリングス・アレンジが素晴らしい。「No Thing On Me(Cocaine Song)」はドラッグのもたらす束の間の桃源郷のような、美しくも刹那的なメロウ・グルーヴ。ギターの弦を爪弾く音がノスタルジーを掻き立てるインスト「Think」を挟み、勇壮なホーン・セクションがファンキーな大ヒット・シングルのタイトル曲「Superfly」で余韻を残しつつ本編は終わる。
25周年記念デラックス・エディションはボーナス・トラック大量投入で本作の魅力をさらに増している。「Little Child Runnin Wild」のデモ「Ghetto Child」は、音数も少なく簡素なアレンジで渋い出来。「Pusherman(Alternate Mix)」は歌の代わりにホーンをフィーチャーしたインスト。「Freddie's Dead(Instrumental Version)」は歌を抜いただけだが、これを聴くとストリングス・アレンジの素晴らしさが良く分かる。「Junkie Chase(Full-Length Version)」は4分強のロング・ヴァージョンでたっぷり追い回される。「Militant March」は映画本編では使われるもアルバムには入らなかった1分弱の曲。「The Underground」「Check Out Your Mind(Instrumental Version)」は映画とはまったく無関係な曲だが、アルバムの雰囲気は損なわれていない。