soul searching
Soul Searching/Average White Band
 Atlantic '76

アヴェレージ・ホワイト・バンドの4thアルバム。
重さよりもキレのあるファンクで勝負してきたバンドだが、このアルバムではグッと重みと渋味を増してきた。落ち着いた風情の大人のファンク/ソウル・サウンド。彼らの作品の中では、やはりこのアルバムが1番好きだ。歌は白く弱いが、このナヨっとしたヘタウマ感は得難い個性かも。
イントロの「Overture」の静謐なムードに導かれてスタート。同年リリースのアイズレー『Harvest For The World』にも似た様なアルバムの入りだが、アイズレー同様にアルバム・トータルとしての芸術性や完成度を高めることに成功しているように思う。続いて「Love Your Life」「I'm The One」の渋カッコいいミッド・ファンク2連発。タイトなドラムスと黒いベースのグルーヴが堪らない。特に「I'm The One」は、個人的には「The Jagglers」と並んでAWBのベスト。AORテイストのメロウ・スロウ「A Love Of Your Own」と、ラテン・テイストのグルーヴィー・ソウル「Queen Of My Soul」は特に人気の高い曲だと思うが、真夏の暑い夜に聴きたくなるような良曲。「Soul Searching」「Going Home」は大人の余裕を感じさせる都会的なグルーヴとソウルフルなホーン・セクションのミドル・チューン。まったりしたミディアム「Everybody's Darling」、ジャジーでムーディーなスロウ「Would You Stay」、微睡むミディアム・スロウ「Sunny Days(Make Me Think Of You)」、シメは「Soul Searching」のリプライズとなる「Digging Deeper」。