this boot is made for fonkn
This Boot Is Made For Fonk-N / Bootsy's Rubber Band
 Warner Bros. '79 

バンド名の使用を巡る裁判に負け、ラバー・バンドの名称が使えなくなってしまったブーツィー。これが一応ラバー・バンド名義での最終作になるかと思いきや、82年のシングル「Body Slam」、91年のミニ・アルバム『Jungle Bass』でもラバー・バンド名義が復活しているので、この辺の権利関係はよく分からないが、いずれにしろ70年代最後のアルバムとなる本作がひとつの区切りになるのは確か。
Pファンク軍団の勢いにも翳りが見えてきたこの頃、ブーツィーはドラッグ禍やら精神的な問題やらでかなり参っていたらしく、カッチリした構成力を誇る前作『Bootsy? Player Of The Year』と比べると本作は、ダラダラと引き延ばしがちで散漫な印象は否めないところ。付録のオヴァートンの漫画も途中で終わってしまう破綻ぶりで、そんなところにも本作の性質が顕れているよう。あまり評価は高くない作品だと思うが、これほどグルーヴしてるアルバムもなかなか無いワケで、タガの外れたブーツィーのグルーヴ・マスターっぷりはなかなか痛快。
「Under The Influence Of A Groove」はGo-Goっぽい持続性のグルーヴをルーズに垂れ流すミッド・ファンク。以降Pファンク関連曲で頻繁に流用されることになる哀愁フレーズの初お目見えもこの曲。続く「Bootsy Get Live」は幾分締まりのある曲で、『Ahh...The Name Is Bootsy,Baby!』に入っていても馴染みそうなファンク・チューン。「Oh Boy Goal」はミスティックなスロウだが、やや弱いか。「Jam Fan(Hot)」はひたすらグルーヴするスロー・ファンクで、ねっとり纏わりつくような暑苦しさが好きモノには堪らないファンク・ジャム。「Chug-A-Lug(The Bun Patrol)」もほぼワン・グルーヴでゴリゴリ押し込むミッド・ファンクで、取り留めは無いがグルーヴィーなのは間違いない。ラストの「Shejam(Almost Bootsy Show)」はポップでキュートなミドルで、何だかホッとさせる曲。