prince
Prince
 Warner '79

プリンスの2nd『愛のペガサス』。
デビュー作『For You』はセールス的に惨敗。2ndアルバムはヒットが至上命題だったと思われ、事実このアルバムからは「I Wanna Be Your Lover」が初のR&Bチャート1位のヒットを記録。このあたりの経緯は何となくスライを連想させるが(デビュー・アルバムのセールス不振~2ndから「Dance To The Music」がヒット)、スライもプリンスも狙ってヒット曲を作れるというのはすごいことだ。アルバム自体も、プリンス作品としては最もR&B寄りで親しみやすいと言える。もっとも、購買意欲を著しく減退させるジャケット及び裏ジャケ(羽の生えた白馬に跨る全裸の殿下)は、とても売る気があるようには見えないが。
プロデュース、作曲・アレンジから、演奏のほとんどまで独力でこなすDIYっぷりはデビュー作同様。「I Wanna Be Your Lover」はファンキーなダンス・チューンで、爽快グルーヴが気持ちいい。後半のインスト・パートではファンク度上昇。「Sexy Dancer」はベース・ラインがえらくカッコいいクールなファンク・ダンサー。途中のキーボード・ソロとか、天才の片鱗を見せつけているかのようだ。後にチャカ・カーンによるカバーが大ヒットした「I Feel For You」はポップなメロディが光る初期プリンスの代表曲。これらの曲で見せる非凡なポップ・センス、瑞々しい才能の煌めきには、抗い難い魅力がある。
ロック色濃い「Bambi」は、『Dirty Mind』以降を示唆するようなきわどい歌詞。殿下のギターは、もうこの頃からカッコいい。「Why You Wanna Treat Me So Bad?」もギターが目立つが、キュンキュンするようなメロディを持つポップな良曲。
このアルバム、実はスロウ系が多い印象。殿下がバラードにおいて個性を確立するのは2年後の「Do Me Baby」からなので、本作のバラードは割と真っ当にR&B公式に則っている。「When We're Dancing Close And Slow」は静謐でムーディーな曲。「With You」はシンプルでストレートなメロディ、「It's Gonna Be Lonely」はファルセットが駆け巡る。「Still Waiting」は穏やかなミディアム・スロウ。