destively bonnaroo
Desitively Bonnaroo/Dr. John
 Atco '74

近年は「ニューオリンズ音楽界の良心」みたいな印象が強いドクター・ジョン。特に、古き良きニューオリンズを体現した72年の『Gumbo』は名盤の誉れ高く、ドクターの代表作と言えばまずはコレということになるが、73~74年にアラン・トゥーサン&ミーターズと組んだ『In The Right Place』『Desitively Bonnaroo』の2枚は、ドクター本来の極悪な性分と絶頂期ミーターズのファンクがガッチリ噛み合った傑作。ドクターの強烈なダミ声は好みの分かれるところだが、ミーターズの辛口のファンク・サウンドにも拮抗しうる個性と言える。ファンク好きであれば2枚とも楽しめること請け合いだが、やや地味な印象の『Desitively Bonnaroo』の方が個人的には好み。
「Quitters Never Win」「(Everybody Wanna Get Rich)Rite Away」「Can't Git Enuff」は『Rejuvenation』に入っていてもおかしくないような傑作激辛ファンク。ドラムスとベースの強力グルーヴに引きずられるスロー・ファンク「Stealin'」、淡々とクールな表情のなかにスゴみを利かせる「What Comes Around(Goes Around)」、ワルの純情を滲ませるバラード「Me-You=Loneliness」、ニューオリンズ+ラテン調の「Mos' Scocious」、オールド・ニューオリンズ・スタイルの「Let's Make A Better World」、スワンプ風味の「R U 4 Real」、旨味たっぷりのミディアム「Sing A Long Song」、塩だけで味付けしたようなピリリとタイトなファンク「Desitively Bonnaroo」など、駄曲なしの推薦盤。