bridges
Bridges/Gil Scott-Heron & Brian Jackson
 Arista '77

アリスタ移籍後から前作『It's Your World』までの3作は、ミッドナイト・バンドを従えたジャズ/ラテン/ファンクのハイブリッドだったが、この『Bridges』ではラテン色はほぼ排除。今作からマルコム・セシルが制作に関与、そのせいか『Innervisions』や『Fullfillingness First Finale』との親和性を感じさせるサウンドになっているが、このセシルの起用にはアリスタのオーナー、クライヴ・デイヴィスの意図が透けてみえるようだ。ミッドナイト・バンドとの連携は今作でも継続しているが、ヴォーカルのヴィクター・ブラウンは脱退。おそらく前作までのラテン・テイストを持ち込んだのはミッドナイト・バンドだったのだろう、次作『Secrets』ではミッドナイト・バンドは瓦解し、ハーヴィー・メイソンやグレッグ・フィリンゲインズら腕利きスタジオ・ミュージシャンを起用することになる。
オープニングの「Hello Sunday! Hello Road!」は、グルーヴィーでポップなミドルで、前作までとの違いをいきなり見せつける。「Song Of The Wind」はゆったりしたレイドバック・チューン。ジャミロクワイも裸足で逃げ出しそうなグルーヴィー・ジャズ・ファンク「Racetrack In France」は、後のUKアシッド・ジャズへの影響も多大なクラシック。「Vidgolia(Deaf,Dumb & Blind)」「Under The Hammer」は怒れるジャズ・ファンク・チューン。「We Almost Lost Detroit」は、3.11以降一段と重みを増すことになった重要曲。ダークでシリアスな「Delta Man(Where I'm Coming From)」、ラストはアコギが爽快感をもたらすメロウ・ソウル「95 South(All Of The Places We've Been)」。