all n all
All 'N All/Earth,Wind & Fire
 Columbia '77

「Fantasy」が入ってるばっかりに、色眼鏡で見られがちなアースの大ヒット作。だが、ナメてはいけない。その「Fantasy」はやはり凡庸な曲で、この際聞き流すとして、他の曲は無視できない出来。ディスコ期突入直前にギリギリ踏み留まった、ファンク・バンドとしてのアースの最後の輝きを放っている。
冒頭の「Serpentine Fire」はアースの曲では珍しいスロー・ファンクだが、このジワジワくるグルーヴが堪らない。「Jupitar」はアースの真骨頂と言えるスピーディーなファンクで、この手の曲としては「Getaway」より遥かにカッコいい。キレまくるホーン・セクション、変幻自在のヴォーカル・ワークが最高。「Magic Mind」はやや地味なファンクだが、これも悪くない。やたらカッコいいベース・ラインが疾走する「Runnin'」は、ブラジリアン・グルーヴも爽快なファンク・チューン。本作はジャケットはピラミッドだが、『Head To The Sky』以来のブラジル色が出たアルバムで、「Runnin'」の他にブラジリアン・スキャットの「Brazilian Rhyme」や「In The Marketplace」といったインタールドがアルバムのムードを特徴付けている。
バラードでは、メロウな「Love's Holiday」も悪くないが、アコースティック・スロウの「I'll Write A Song For You」がいい。フィリップ・ベイリーの掠れ気味のファルセットを振り絞っての熱唱に悶絶。モーリスが説教臭い「Be Ever Wonderful」はやはり好きじゃない。