Na Poi/Fela Ransome Kuti & The Africa '70
EMI '71
フェラ・クティのアルバムは、90年代後半から結構な枚数が2in1でCD化されていて、自分もそれで一通り揃えていったクチ。なかでも、この『Na Poi』は、『Expensive Shit』や『Kalakuta Show』などと並んでお気に入りの一枚。
例によって収録は全2曲。「Na Poi」は25分にも及ぶ長尺曲(うち、バンドの演奏が始まるまでのフェラの語りが3分!長い)。この曲では政治的なメッセージや闘争を鼓舞するような曲ではなく、珍しくセクシュアルな内容を歌っているらしい。そのせいか、リズムもグルーヴも噎せ返る様な艶めかしさで、途中のサックス・ソロなんかも生々しいエロさ。ゆっくりと全身を揉み解され、ジワジワと火照って汗ばんでくるようなミドル・テンポのファンク。ドラムス、ベース、パーカッションが土着的なリズムを刻み、その上をユルいギタとチープなキーボードを流していく中、分厚いホーン・セクションとフェラのアジテーションが強烈なインパクトを残す。ファンクもジャズもソウルも大釜にブチ込んでドロドロになるまで煮詰めた、漆黒のアフロ・グルーヴ。「Water No Get Enemy」もそうだが、フェラの曲ではこういうミッド・グルーヴでジワジワやるタイプの曲が特に好きだ。「You No Go Die...Unless」はテンポ・アップしたアフロ・ファンクで、JBからの影響を強く感じる。これもファンク/ソウルとして聴いても非常に高品質で素晴らしい。
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