as one
As One/Bar-Kays
 Mercury '80 

66年にバンド結成、オーティス・レディングと乗り合わせた飛行機の墜落事故によりメンバーの大半が死亡するなどの苦難がありながら、今だ現役(?)、最古のファンク・バンドと言われるバーケイズ。
70年代初め頃はブラック・ロック路線だったが、70年代半ばにスタックスを離れマーキュリーに移籍した辺りから、本格的にファンク・バンドへと移行する。またこの頃から、ものまねファンク・バンドの異名の由来となったパクリ芸が顕著に見られるようになる。70年代後半は、アース・ウィンド&ファイアが絶大な人気とセールスを誇っていた時期で、同時代のファンク・バンドの多くがアース風のサウンドを標榜していたのだが、バーケイズがその他大勢のフォロワーと違ったのは、長いキャリアを持つ百戦錬磨のバンドだけに、時としてネタ元を凌駕するような曲を作ってきたことだ。また、バーケイズ本来の持ち味である泥臭さを注入することで、誰かに似てるようでいてバーケイズらしいとしか言いようのない個性を持ち得ている。
本作『As One』も、引用元の多くはアースだが、既に80年当時失速していたアースよりも遥かにカッコいいファンク・アルバム。「Boogie Body Land」は、ヴォーカル・ワークやシャープなホーン・セクションがアースっぽいと思いきや、サビはキャメオ「I Just Want To Be」をまんまブッ込んでくるという大胆不敵なヘヴィ・ファンク。コレがめちゃくちゃカッコいいのだから降参するしかない。ミディアムの爽快クルージング・ナンバー「Say It Through Love」「Open Your Heart」は、アースの同系統の曲と比べても遜色ない。クールでゴツいファンク・チューン「Work It Out」も、途中でフィリップ・ベイリーっぽい節回しのファルセットが入る。「As One」はバーケイズらしいキャタピラ・ファンクに乗せて、「Shining Star」っぽい歌メロをモーリス・ホワイト風ヴォーカルで歌う。バラードの「Deliver Us」は「All About Love」と非常に似た雰囲気。バーケイズ本来の姿と言えそうな臭みのあるミッド・ファンク「Body Fever」もカッコいい。