redd hott
#1/Redd Hott
 Venture '82

レッド・ホットは、シカゴを出自とするファンク・バンド、マンチャイルドを前身とするバンド。マンチャイルドは、リーダーのレジー・グリフィンを中心に、ベビーフェイス(ケニー・エドモンズ)とダリル・シモンズという80年代末~90年代のR&Bシーンの重要人物を輩出したことでも知られるグループで、ヴォーカルのフラッシュ・フェレルも含め、マンチャイルドのメンバーがほぼそのままレッド・ホットにスライドしている。
ニュージャージーの巨匠、ジョージ・カーをプロデューサーに招いたこの唯一のアルバムは、完成度の高いモダンな80年代ファンクと濡れるバラードの両輪が拮抗した傑作。軽快なカッティングに導かれてスタートする1曲目「Ecstasy」が何と言っても最高。ボトムを支えるシンセ・ベースとパーカッションが爽快なグルーヴを生む、モダンなファンク・ダンサー。「Coming Out To Get You」は更に速いテンポのファンク。ビカビカと閃光を放つようなシンセが強力なへヴィ・ファンク「Flashin' At You」、タイトルどおりの重量級のボトムで迫る「Big Fat Bottom」、ダーティーなノリのミッド・ファンク「We Come To Funk」と、ファンク・ナンバーはいずれも秀逸。
スロウは「You For Me」「Love Is For Keeps」「Remember」と3曲あるが、どれも素晴らしい出来。ファンク・ナンバーでもダイナミックなノリの歌唱を聴かせるフェレルだが、スロウでの情感たっぷりの歌いっぷりもまた見事。