inspiration information
Inspiration Information/Shuggie Otis
 Epic '74

偉大なブルース・ミュージシャンにしてR&B黎明期の巨人、ジョニー・オーティスを父に持ち、若干15歳にしてアル・クーパーとの共演盤でデビューした早熟なギタリスト、シュギー・オーティス。その後、ソロ・アルバムを3枚出しているが、本作『Inspiration Information』は最高傑作となる3rdアルバム。
シュギーの才能は、ブルースやギタリストの枠に留まらず、マルチなミュージシャン/アーティストとして音楽性を拡げていったが、本作はその才能が一気に開花したアルバム。作曲、アレンジ、プロデュースの他、管と弦以外の楽器のほとんどを自ら演奏するDIYっぷりは、後のプリンスに先駆ける異能ぶり。リズム・ボックスを多用したローファイなサウンドは、暗く沈んだ雰囲気ながら、どこか不思議な浮遊感が漂う。ファンク、ソウル、ブルース、ジャズを自在にミックスし溶け込ませたサイケなグルーヴは、スライ『暴動』を彷彿とさせるし、ヒップホップやエレクトロニカ、クラブ・ミュージック界隈からの厚い支持も頷ける。
タイトなドラムスに浮遊するグルーヴのタイトル曲「Inspiration Information」、メロウに濡れたミディアム「Island Letter」、バウンシーなミッド・ファンク「Sparkle City」、硬質なリズム・ボックスにオルガンがメロウに絡む「Aht Uh Mi Hed」、アブストラクトな音像が極めて現代的な「Happy House」、ジャジーなインスト・スロウ「Rainy Day」、ビートを組み換えて作ったような、ほとんどヒップホップなつくりのトラック「XL-30」、水滴の音のようなリズム・ボックスが染み渡るように響く「Pling!」、「Not Available」はジャジーなギターのフレージングが冴えるグルーヴ・チューン。