rags to rufus
Rags To Rufus/Rufus featuring Chaka Khan
 ABC '74 

ルーファス名義では2作目のアルバムだが、チャカの名前がバンド名と併記されるようになったのは本作から。
トニー・メイデン、ボビー・ワトソンの黒人プレイヤーが加入するのは次作『Rufusized』からで、この時点ではまだチャカ以外のメンバーはすべて白人。チャカを前面に押し出し、彼女の個性が活かすべくバンドの方向性が定まった印象。すでにチャカのあのヴォーカル・スタイルはほぼ確立されている。また、バンドはやや粗削りながらファンキーな演奏を聴かせてくれるが、白人バンドだけあってロックっぽいニュアンスもまだ残している。
ささくれたカッティングが刺さるファンク・ナンバー「You Got The Love」で快調にスタート。弾むリズムに軽めのクラヴィネット、陽気なホーン・セクションが乗る「I Got The Right Street」、カントリー調のスロウ「Walkin' In The Sun」、グシャグシャと軋むワウ・ギターがウネるインスト・ファンク「Rags To Rufus」、教会発・ストリート直送のゴスペル・ファンク「Swing Down Chariot」、不穏なムードの小品「Sideways」、ストリングスを導入したミディアム・バラード「Ain't Nothin' But A Maybe」、スティーヴィー・ワンダーが書き下ろした「Tell Me Somothing Good」は、クラヴィネットが蠢くダークなスロー・ファンク。爽快グルーヴィーな「Look Through My Eyes」も気持ちいい。ピアノをバックに歌い上げる「In Love We Grow」、アコギに絆される「Smokin' Room」と、最後はチャカ節が唸るバラード連投。