got to find a way
Got To Find A Way/Curtis Mayfield
 Curtom '74 

傑作連発の70年代前半のカーティスにおいて、一際地味で目立たない本作『Got To Find A Way』。『Superfly』や『There's No Place Like America Today』のように強烈なインパクトを与えるアルバムではないが、実のところコレは相当にしぶとい、決して侮れない隠れた傑作。タイトに引き締まったリズム隊と、粘っこく糸を引くように刻むワウ・ギター、土臭いパーカッションといった、70年代前半のカーティス・バンドの凄さは本作からも十二分に感じ取れる。
「Love Me(Right In The Pocket)」は、張り詰めた緊迫感にジリジリと焚き付けられるグルーヴィー・チューン。ドラムスとベース、パーカッションがガッチリとグルーヴを支え、そこに自在に絡みつくワウ・ギターとスリリングなストリングスを流し込む。「So You Don't Love Me」は、カートムならではのメロウな浮遊感が美しいバラード。「A Prayer」はカーティスのガラス細工の様なファルセットの多重ヴォーカルが沁み入る、カーティス流ゴスペルのスロウ。「Mother's Son」はファンキーなカッティングと掻き毟る様なワウ・ギターの絡みも強力なファンク・ナンバー。「Cannot Find A Way」は、旋回するストリングスが『Superfly』~『Back To The World』を思わせる。ゆったりとウネるミッド・グルーヴに差し込まれる泡立つようなワウ・ギターがファンキー。「Ain't No Love Lost」はパーカッションとトリッピーな響きの鍵盤が気持ちいい、「Keep On Trippin'」をグルーヴ増量したようなイカした曲。