all day music
All Day Music/War
 United Artists '71 

ウォーの大出世作『The World Is A Ghetto』の前年にリリースされた傑作『All Day Music』。
高い演奏能力に支えられたファンク/ラテン/ロック/ジャズのハイブリッド・サウンド。土煙り舞う乾いたグルーヴと、路地裏の哀愁メロウネスが交錯するウォーのオリジナル・サウンドは、まだ多少粗削りなところはあるが、既にこの時点でほぼ完成されていたことが分かる。
タイトル曲「All Day Music」は、まったりレイド・バックした陽だまりと土の臭いのラテン・ソウル。ジャジーでもあり、ロックっぽくもある、何とも気持ちいいグルーヴ。「Get Down」は後の「Cisco Kid」にも通じるチカーノ・ファンク。埃っぽいファンク・グルーヴがカッコいい。「That's What Love Will Do」「There Must Be A Reason」は、深い哀愁を湛えた男臭いスロウ。「Nappy Head(Theme From Ghetto Man)」はお得意のラテン・ジャズ・グルーヴで、こういった曲をサラッと入れ込んでくる辺りがこのバンドの面白さだ。ボブ・マーリーも思わずパクッてしまった「Slippin' Into Darkness」は、ゴスペルの祈りとゲットー直送のファンクネスを結び付けたウォーの代表曲。ライヴ音源の「Baby Brother」は、リー・オスカーのハープが主役のスワンプなブルーズ・ナンバー。