Complete & Unbelievable:The Otis Redding Dictionary Of Soul/Otis Redding
Volt '66
しかしこのジャケット最高過ぎる、オーティスの傑作『ソウル辞典』。
本作の録音当時、既にノドの調子が良くなかったのかもしれないが、オーティスの熱く噎せ返るようなソウルは何ら変わりない。MG’sのバッキングは泥臭さを残しつつも、この頃になると幾分洗練され、初期の録音と比べるとモダンな佇まいを感じ、完成されたスタックス・サウンドは素晴らしいとしか言いようがない。カーラ・トーマスとのデュエット・アルバムを除けば、結果的に本作が生前最後にリリースされたスタジオ録音作。
陽気なのに悲しげな泣き笑いソウル名曲「Fa-Fa-Fa-Fa-Fa(Sad Song)」、MG'sの重いリズムがカッコいい「I'm Sick Y'all」、あまりにも有名なスタンダード・ナンバーだからといって舐めてかかっては大火傷する、素晴らし過ぎる「Tennessee Waltz」のカバー、真っ黒なグルーヴのジャンプ・ナンバー「Sweet Lorene」、オーティス節炸裂の代表作となるバラード「Try A Little Tenderness」、オーティスが汗と唾を飛び散らせながら突っ走るビートルズ・カバー「Day Tripper」、ホーン・アレンジの素晴らしさにグッとくるバラード「My Lover's Prayer」、キャッチーな曲調のアップ「She Put The Hurt On Me」、心の襞の奥底に沁み入るようなスロウ「You're Still My Baby」、お約束のブルース・ナンバー「Hawg For You」、勢いに溢れたサザン・ジャンパー「Love Have Mercy」と、『ソウル辞典』の名にふさわしい名曲ばっかり入ってる。
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