dance to the music
Dance To The Music/Sly & The Family Stone
 Epic '68 

最初のアルバム『A Whole New Thing』は野心的な意欲作だったが、セールス的には振るわず。ヒットが至上命題となったスライは、ポップでキャッチーで踊れる作品をエピックから求められ、要求どおりに初のヒット曲「Dance To The Music」をモノにした。
その「Dance To The Music」は、ファンキーでポップなダンス・ビート、快活で楽しげな曲調で万人に訴求する力を持った完璧なポップ・ソング。前期スライ定番のリード・ヴォーカル回しもばっちりキマっている。アルバム『Dance To The Music』の収録曲の大半は、このタイトル曲のヴァリエーションで固められている。「Higher」は後の「I Want To Take You Higher」のプロト・タイプとも言える。High、Higherという単語はスライ前期を象徴するワードで(後期のキーワードはBack)、そういう意味でも重要曲だが、ここではまだ比較的穏健な雰囲気。「I Ain't Got Nobody(For Real)」は、ゴスペル経由のオルガンが盛り上げるアップ・ナンバー。「Dance To The Medley:Music Is Alive/Dance In/Music Lover」は、「Dance To The Music」をよりファンキーに拡大発展させたダンス・ナンバー3連発メドレー。あのウッドストックでの伝説的パフォーマンスのハイライトを形成した本作中最重要曲。アルバム後半は、グリッティなリズムで疾走する「Ride The Rhythm」、ダークなグルーヴで迫る「Color Me True」、へヴィーなビートと猛々しいホーンがカッコいい「Are You Ready」と、後の方向性を示唆するかのような曲が続き、個人的には「Dance To The Music」よりもこれらの曲の方が好み。