i cant stand the rain
I Can't Stand The Rain/Ann Peebles
 Hi '74 

ハイ・レコードの看板女性シンガー、アン・ピーブルズ。
痩身に似合わずグッとソウルを押し込めたディープな歌唱。ジャンプ・ナンバーではファンキーで抜群のノリで聴かせ、スロウでは時にアーシーで泥臭く、時に愁いを帯びた可憐な表情を見せる。
本作は彼女の代表作であり、また、成熟極まったハイ・サウンドのひとつの到達点。ハワード・グライムスの重量感溢れるグルーヴたっぷりのドラムスが最高。そこにホッジス3兄弟のギター、ベース、キーボードが絡み、アーシーでふくよかなソウルを醸成。苦味を引き立てるようなストリングスの甘さも程よく、全体を指揮するウィリー・ミッチェルの手腕は流石としか言いようがない。
何と言ってもタイトル曲の「I Can't Stand The Rain」。重く引きずるようなリズム隊を厚いホーン・セクションが肉付け。アンのブルージーな歌唱が素晴らしいハイを代表する名曲。「Do I Need You」は「I Can't Stand The Rain」の続編的な曲で、持続するグルーヴに体が揺れる。「Until You Came Into My Life」「A Love Vibration」「One Way Street」は、いずれもアンの切ないヴォーカルが沁み入る名バラード。ブルージーで重いグルーヴの「Run,Run,Run」や、「(You Keep Me)Hangin' On」「If You Can't Trust Each Other」といった円やかなサザン・ソウル、ミディアムの「You Got To Feed The Fire」、ストリングス・アレンジをはじめ洗練されたムードの「I'm Gonna Tear Your Playhouse Down」など、黒い宝石がぎっしり詰まった名盤。