living legend
The Living Legend/The Baby Huey Story
 Curtom '71 

シカゴ生まれの巨漢シンガー、ベイビー・ヒューイのカルト・ファンク/ソウル・アルバム。
プロデュースはカーティス・メイフィールド。自身のバンド、ベイビー・シッターズを率いて録音された本作。ベイビー・ヒューイは70年に26歳の若さで死去、その翌年にリリースされた遺作にして唯一のアルバム。ベイビー・ヒューイはソウルフルなシンガーではないし、ここで聴かれる音も、いわゆるシカゴ・ソウル的なものではない。ファンカデリックやスライから影響を受けたと思しきサイケデリックなファンク・ロックで、その辺りのサウンドが好きなら間違いなくヒットするアルバム。
1曲目の「Listen To Me」はファンカデリカルなファンク・ロック。ベイビー・ヒューイのヴォーカルも非常にハイ・テンション。「Mama Get Yourself Together」はパーカッシヴなグルーヴのインスト・ファンク。9分超に及ぶサム・クックのカバー「A Change Is Going To Come」は微妙にタイトルが異なるが、気合が空回りしていようがお構いなしの熱唱。インプレッションズをカバーした「Mighty Mighty」は、オリジナルよりもへヴィーなファンク・グルーヴがカッコいい。「Hard Times」もカーティス作の曲だが、これはベイビー・ヒューイ版の方がオリジナル。不穏で緊張感漲るアレンジ、カーティス版とは違って重量感のあるファンク・チューンになっている。ママス&パパス「California Dreamin'」のインスト・カバーは、ファンキーだがどこか歌謡曲風なアレンジ。「Running」もカーティス作曲、これもハードなファンク・ソウル・ナンバー。ラストの「One Dragon Two Dragon」は軽快にグルーヴするインスト。