peace beyond passion
Peace Beyond Passion/Me'shell Ndegeocello
 Marverick '96 

凄腕ベーシストにして先進的なアーティスト、ミシェル・ンデゲオチェロの2ndアルバム。
衝撃的な93年のデビュー作『Plantation Lullabies』から引き続きデイヴィッド・ギャムソンのプロデュースだが、ファンクのグルーヴをヒップホップのビートと編集感覚でもってアップデートしたかのような前作に比べると、本作はより肉感的なファンクのグルーヴ感が前面に出た印象で、要するにバンドっぽいサウンドになっている。取り分け、太くウネるミシェルのベースとオリヴァー・ジーン・レイクのドラムスは強力。その他、ビリー・プレストン、ワー・ワー・ワトソン、ベニー・モウピン、ウェンディ・メルヴォワン、ポール・ライザー、ボブ・パワーなど、何とも分かってらっしゃる面子がバックアップ。前作に並ぶ傑作となっている。
Go-Goっぽいビートの小品「The Womb」に導かれてアルバムはスタート、グルーヴィーなベースが強力なミッド・ファンク「The Way」、「Deuteronomy:Niggerman」はダークにウネるグルーヴがこれまた超強力なへヴィー・ファンク。ミシェルの低く呟くような語りと軽やかなサビのメロディの対比が印象的な「Ecclesiastes:Free My Heart」、ファンキーなリフを繰り返すミドル「Leviticus:Faggot」は、ミシェルのラップ調語りヴォーカルもカッコいい。浮遊感漂う幽玄スロウ「Mary Magdalene」、何となくプリンスからの影響が垣間見えるような「God Shiva」、ビル・ウィザーズのカバー「Who Is He And What Is He To You」は、原曲に忠実ながらもより深いタメをつくりグルーヴする。気持ちよく泳ぐミディアム・グルーヴ「Stay」、クールなR&Bトラック「Bittersweet」、ジャジーな「A Tear And A Smile」、「Make Me Wanna Holler」はもちろんマーヴィン・ゲイ「Inner City Blues(Make Me Wanna Holler)」にインスパイアされたと思しきクールなスロー・ファンク。日本盤ボーナス・トラックの「Soul Searchin'(I Wanna Know If It's Mine)」もクールなグルーヴ感が気持ちいい佳曲。