i dont know what the world is coming to
I Don't Know What The World Is Coming To/Bobby Womack
 United Artist '75 

前作までのマッスル・ショールズ録音から、心機一転、西海岸に赴いて録音されたアルバム。
必然、アルバムから受ける印象は随分異なり、土臭く暖かな南部ソウルの前作に比べると、都会的でソリッドな感じになっている。参加メンバーは、アイズレーのサポートで知られる鍵盤奏者トゥルーマン・トーマス、スライ&ザ・ファミリー・ストーン『Small Talk』でドラムを叩いたビル・ローダン、この直後にPファンクへ合流するシンガー/ギタリストのグレン・ゴインズなど、何気に興味深い面子。その他、チャック・レイニーやレーベル・メイトだったレオン・ウェア、何故かデイヴィッド・フォスターの名前もある。ウェスト・コーストらしい乾いたファンキーなグルーヴに乗るウォマックの苦み走った塩辛ディープ・シンギングが堪らない、これもまた傑作。
冒頭の「I Don't Know」は疾走感溢れるファンキーなアップで、のっけから盛り上がる。「Superstar」はメロウ成分と土臭さの混じり具合がいい塩梅のバラード。「(If You Want My Love)Put Something Down On It」はややダークなムードもあるミディアムだが、サビではいつものウォマック節が炸裂。レオン・ウェアとの共作「Git It」はクラヴィネットがゴリゴリ蠢くファンク。「What's Your World」もレオン作で、彼の72年の1stアルバムに収録されていた曲のカバー。レオン版は暗いムードのスロウだったが、ウォマック盤はグルーヴィーなミドルに仕立てられている。「Check It Out」は最もキャッチーな曲で、心弾むようなメロディを泥臭く汚して歌うウォマックが最高。「Interlude #2」は「I Don't Know」を哀愁スロウに改変、「Jealous Love」はファンキーな哀愁ソウルで、ここでもクラヴィネットのダークなグルーヴが効いている。ビル・ウィザーズと共演した「It's All Over Now」は、西海岸の風が吹く痛快ファンキーなロッキン・ソウル。ラストの「Yes,Jesus Loves Me」は雄大なゴスペル・ソウル・バラード。