its my thing
It's My Thing/Marva Whitney
 King '69 

マーヴァ・ホイットニーは歴代のJBプロダクションの歌姫のなかでも、リン・コリンズと並んで御大から最も厚い寵愛を受けた人と言える。何しろ、御大直々に「ソウル・シスターNo1」の異名を拝命し、アルバムも2枚もリリース(うち1枚はライヴ盤)したほど。本作『It's My Thing』はJB絶頂期にリリースされた、シスター・ファンクNo.1アルバムと言っていいほどの傑作。キレッキレのバックに、これまたキレまくったマーヴァの甲高いシャウトが飛ぶ、テンション振り切れたファンク・チューンの連打。
何と言っても超強力なのが、アイズレー・ブラザーズ「It's Your Thing」のアンサー・ソング的なタイトル曲「It's My Thing」。クライド・スタブルフィールドのファンキーなドラムス、高音シャウトで歌い飛ばすマーヴァがカッコいい。「Things Got To Get Better」でのファンキー歌唱っぷりも最高。ホーン・アレンジもイカす「Unwind Yourself」もグルーヴィーなファンク・チューンでいい。極めつけは、JBとデュエットした「You Got To Have A Job」で、御大を向こうに堂々と渡り合う、超ハイ・テンションなキラー・ファンク。マーヴァの執拗なメイシオ・コールはJB譲りのキレっぷり。「What Kind Of Man」「Get Out Of My Life」などのミディアム・テンポの曲もグルーヴ感たっぷりで気持ちいい。「If You Love Me」「I'll Work It Out」といったバラードもそれなりに聴かせる。「In The Middle」「Shades Of Brown」は使い回しのインスト曲でマーヴァ不在だが、曲自体はカッコいいファンキー・ソウル・ジャズ。
英ソウル・ブラザーの再発盤には、シングル・オンリー曲を6曲追加。「I Made A Mistake Because It's Only You」「What Do I Have To Do To Prove My Love To You」「He's The One」など、この頃のJBプロダクションが鉄壁だったことをひしひしと感じさせる。