hard to earn
Hard To Earn/Gang Starr
 Chrysalis '94 

ヒップホップ史上最も革新的なプロデューサーのひとり、DJプレミアと、MCのグールーによるコンビ、ギャング・スター。彼らのアルバムでは91年の『Step In The Arena』が初体験で、続く92年の『Daily Oparation』ともども愛聴していた。92~93年頃からプレミアはプロデュース業で引く手数多となり、多数のヒップホップ・クラシックを輩出。90年代前半のプレミアは、Dr.ドレと同様に絶対的な存在として神格化されていったような印象があった。そんな多忙を極めるプレミアが、シーンの高まる期待を一身に受け、本丸のギャング・スターでリリースしたのが4thアルバム『Hard To Earn』。
本作は、それまでのギャング・スターのアルバムと比べて一際ハードコアで、何よりファンクだ。デビュー当初の、ジャズ・ヒップホップにカテゴライズされていた面影はここには無く、プレミアのビートはストリート臭丸出し、男臭いファンクネスを剥き出しで叩きつけてくる。グールーのもっさりラップは評価が分かれるところだが、個人的には好きだ。
それにしても、クラシック・チューンがズラリと並んだ凄いアルバムだ。ストリングスのサンプルが緊張感を増す「Code Of The Streets」、エキセントリックなシンセ音が飛びまくる「Brainstorm」、重いビートでグルーヴする「Tonz ’O' Gunz」、ナイス&スムースをフィーチャーした「Dwyck」、エレピのループで渋くキメた「Mass Appeal」、ファンキーに跳ねる「Blowin' Up The Spot」などなど、攻撃的で突き刺さるようなビートとダルなラップのコンビネーションは見事と言うしかない。