on the horizon
On The Horizon / Tashan
 OBR '89 

これはリアルタイムで愛聴していた作品。
デフ・ジャム傘下のR&Bレーベル、OBRからリリースされたテイシャーンの2ndアルバム。
レーベル・カラーもあって、ヒップホップの影響を受けたストリート感臭うサウンド・メイクに、70年代ソウルの感触を塗したリアル・ソウル・ミュージックを標榜。プロデュースはテイシャーン自身と、サード・ベースのプロデューサーなどで知られるサム・シーヴァーら。当時、マーヴィン・ゲイの再来と喧伝されたテイシャーンだが、社会意識の強い詞作はニューソウル的だが、シンガーとしてのタイプはマーヴィンとは異なる。
「Black Man」「How Ya Livin'」「Keep Movin' On」などは、ザラついたグルーヴやヒリヒリした感触のストリート・ソウルで、当時のニューヨークの音を思わせ、猛烈に懐かしく、今聴いても結構カッコいい。浮遊感のあるメロウなスムーヴが心地よい「Heaven」、ムーディーなバラードの「Tears Of Joy」、ニュー・ジャック調の「Think About You」、円やかなソウル・サウンドの「All The Time Lovin'」、「Sexual Healing」のオマージュのような「Great Feeling」なんかも良い。レーベル・メイトのアリソン・ウィリアムズとのデュエット「Do You Wanna Know」も熱く濃密なソウル・ミュージック。「This One's For James」は影響を受けたというJBへ捧げるファンク。