midnight marauders
Midnight Marauders/A Tribe Called Quest
 Jive '93 

サンプリング・アートとしての可能性を追求した1st『People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm』、シンプルに研ぎ澄まされた重低音ビートでシーンに一大潮流を巻き起こした2nd『The Low End Theory』に続いて、3rdアルバムとなる本作『Midnight Marauders』は、ヒップホップのゴールデン・エイジたる90年代前半を象徴する大名盤。
サンプリング・センスはより洗練を極め、黒くウネるグルーヴにキャッチーなフック、効果的な対比を見せるQティップとファイフのラップなど、単にヒップホップとして優れているだけでなく、音楽的な豊穣感や完成度は比類なき高みに到達している。
アルバムのイントロダクションとなる「Midnight Marauders Tour Guide」や、アルバムの所々に挿入されるスキットが気持ちいい流れを生む本作、頭の不協和音のようなホーンから掴まれる「Steve Biko(Stir It Up)」から、ウェルドン・アーヴィン「We Gettin' Down」ネタの黄金色に輝く超クラシック「Award Tour」への流れで早くも昇天。ベース・ラインがウネる「Sucka Nigga」、ぐるぐると渦巻くようなグルーヴの「Midnight」、思わず一緒にフックを口ずさんでしまうパーティー・チューン「We Can Get Down」、クールで幻想的なミドル「Electric Relaxation」、クール&ザ・ギャング「Who's Gonna Take The Weght」のホーン・サンプルにアガる「Oh My God」、ロイ・エアーズ「Feel Like Makin' Love」のサンプルが妖しげなラージ・プロフェッサー・プロデュースの「Keep It Rollin'」、ミニー・リパートン「Inside My Love」使いの「Lyrics To Go」など、練り上げられた楽曲の数々は素晴らしいとしか言いようがない。