brass construction
Brass Construction
 United Artists '75 

ランディー・ミューラー率いるニューヨークの大型ファンク・バンド、ブラス・コンストラクション。
このバンドのプロデューサーであるジェフ・レーンとランディー・ミューラーが同時期に制作を手がけた、同じくニューヨークのファンク・バンド、BTエクスプレスと比べると、BTが煤けて埃っぽいファンクが特徴なのに対し、ブラス・コンストラクションはその名のとおり華やかなブラス・セクションを強調したグルーヴィーなディスコ・ファンクといった印象。いずれにしろ、両バンドともニューヨーク出身らしいダンスフロア・オリエンティッドなファンク・サウンドではある。
ブラス・コンストラクションの記念すべき1stアルバムとなる本作は、このバンドの持ち味をすべて出し切ったような傑作。インストゥルメンタル・パートに比重を置いた重厚で煌びやかなバンド・アンサンブル、グルーヴィーで踊れるファンク・サウンドは、聴き手の快楽中枢をダイレクトに刺激してくる。
アルバムは長尺曲を中心に全6曲収録。なかでも、煌めくカッティングにスペイシーなシンセ、流麗なストリングス、そして分厚くウネるホーン・セクションが一体となって押し寄せる、グルーヴィーでダンサブルなファンク・チューン「Movin'」「Changin’」の2曲が傑出。その他、下世話さを醸すディスコ・ファンク「Peekin'」、『Light Of The World』あたりのクール&ザ・ギャングっぽい「Love」、やや臭みのあるファンク・ナンバー「Talkin'」、ワサワサした雰囲気のナスティー・ファンク「Dance」と、アルバムの最初から最後まで終始腰を揺さぶられる。