i never loved a man
I Never Loved A Man The Way I Love You / Aretha Franklin
 Atlantic '67 

問答無用のソウル・ミュージック不朽の名作、アレサ・フランクリンのアトランティック1作目。
コロンビアのジャズ/ポピュラー路線で燻っていたアレサを見出したジェリー・ウェクスラーの慧眼、そして紆余曲折あってフェイムのミュージシャンを起用しながらもニューヨークでの録音となったことが、南部ソウルのアーシーさの中に都会的な響きを感じさせる結果となり、既に完成の域に達していたアレサの歌唱との抜群のマッチングを見せた奇跡的な作品。
1曲目の大ヒット・ナンバー「Respect」の、アレサの第一声”What You Want~”でいきなりノック・アウトされてしまう。教会発ストリート経由のコーラスとアレサの掛け合いも痺れるカッコよさ。ジャズ・ブルース調のレイ・チャールズ・カバー「Drown In My Own Tears」、タイトル曲「I Never Loved A Man(The Way I Love You)」は鳥肌モノのサザン・ソウル・クラシック。ジャズ・スタンダード風の「Soul Serenade」とボサ・ノヴァ・タッチの「Don't Let Me Lose This Dream」は、広くポップ・アピールを狙ったようなレパートリーだが、アレサが歌えば一級品のソウル・ミュージックに仕上がる。情感溢れるバラード「Baby,Baby,Baby」、アーシーなヴォーカルに引き込まれるブルーズ「Dr.Feelgood」、サム・クック「Good Times」のカバーも貫禄の歌い回し。切ないバラードの名曲「Do Right Woman-Do Right Man」、ファンキーなアップ「Save Me」、ラストのサム・クックの大名曲「A Change Is Gonna Come」は、あまりに感動的な名唱。