could it be magic
Could It Be Magic / Anthony White
 Philadelphia International '76 

アンソニー・ホワイトが名門PIRに残した唯一のアルバム。
シグマ録音ながらギャンブル&ハフは直接関与していないようで、フィル・テリー、アラン・フェルダー、テリー・ライフ、デクスター・ワンゼルらが制作を主導。フィリー・ソウル全盛期のアルバムだけあって、これはなかなかの名盤。MFSBによる煌びやかなサウンドと、テディペンを思わせる太く男臭いヴォーカルが素晴らしい。
まずアルバム1曲目の「Where Would I Be Without You」が傑作フィリー・ダンサー。MFSBの鉄壁のグルーヴを見事に乗りこなすアンソニーの歌ぢからに降参。その他にも、「Stop And Think It Over」「Never Let You Get Away From Me」といったフィリー・ダンサーはどれも秀逸。一方、「Never Repay Your Love」「Love Grows Strong」「I'm So Much In Love With You」などのバラードも聴き応え十分で、豪奢でシルキーなサウンドをバックに、黒汁滴る野太いヴォーカルでソウルフルに歌い込む。ミディアムの「Yes You Need Love」「Only Child's Play」も気持ちいい。