lets do it again
Let's Do It Again / The Staple Singers
 Curtom '75 

ステイプル・シンガーズと言えば、まずは「I'll Take You There」「Respect Yourself」といったソウル・クラシックをモノにしたスタックス時代ということになるが、カートム・スタジオで録音された本作や次の『Pass It On』も好盤。
本作はブラックスプロイテーション映画のサウンド・トラック盤で、カーティス・メイフィールドがプロデュース。全8曲のうち、後半3曲が主役不在のインストなので、ステイプルズのアルバムとしては物足りなさが残るのも事実だが、そこはサントラ巧者のカーティスと脂の乗った70年代中期のカートムのミュージシャン達、鉄壁のバッキングでグルーヴを支えている。何より、メイヴィス・ステイプルズのゴスペルに裏打ちされたディープでソウルフルな歌唱は、スタックス時代と何ら変わらず素晴らしい。
何と言ってもタイトル曲「Let's Do It Again」が超名曲。抑制しながらもウネるメイヴィスのゴスペル・シンギングとコーラス、カートムらしいまったりと纏わりつくグルーヴィーなミディアム・ソウル。この曲には及ばないものの、他の曲も、70年代のカートム・サウンドが好きなら楽しめること請け合い。カーティス77年の傑作「Doo Doo Wop Is Strong Is Here」にも通じる雰囲気がある「Fnky Love」、メイヴィスの歌だけでも十分に素晴らしいスロウ「A Whole Lot Of Love」、グルーヴィーなミドル「New Orleans」、ソウルフルなメイヴィスのリードとコーラスで盛り上げるまったりミディアム「I Want To Thank You」と佳曲揃い。残るインスト曲では、カートム十八番の粘っこいワウ・ギターとアフロ/ラテンなパーカッション、スリリングなストリングス・アレンジでブラックスプロイ感横溢の「Big Mac」がいい。