style
Style / Cameo
 Atlanta Artists '83 

82年の『Alligator Woman』で、バンド・メンバーを12人から5人に削減する大リストラを敢行、そのユニークな個性と作品の質をキープしつつ、よりソリッドなファンク・サウンドを手に入れたキャメオ。
続く本作『Style』で更に1人減らし4人になり、また新たに興した自主レーベル、アトランタ・アーティスツからのリリースとなり、ラリー・ブラックモンも相当気合が入っていたことが想像できるが、アルバムはやや疑問の残る内容。前作のソリッドなファンクを踏襲し、聴くべき曲も多いが、一方でこれまでの自身の楽曲の焼き直しのような曲もあり、アルバム全体としてはややスケール・ダウンした印象。
ゴツくてソリッドなキャメオ印のファンク・チューン「Aphrodisiac」、ユニークなリズム・パターンで攻める「Cameo's Dance」、ゴリゴリのへヴィー・スロー・ファンク「Slow Movin'」といった辺りは流石の出来映え。スウィートなスロウの「Heaven Only Knows」もまずます。
「This Life Is Not For Me」はかつてのヒット曲「I Just Want To Be」の焼き直しのようなへヴィー・ファンクで、同じく「I Just Want To Be」をヒントにしたとされる同年のザップ「I Can Make You Dance」と比べてやや分が悪い。タイトル曲「Style」は「Be Yourself」を、「Let's Not Talk Slot」は「Alligator Woman」をそのまま流用したような曲。プレスリーの「Can't Help Falling In Love」なぞ、キャメオがこの曲をやる意味がどこにあるのかさっぱり分からない。