awakening
The Awakening / Lord Finesse
 Penalty '95 

ディギン・イン・ザ・クレイツの筆頭格、ロード・フィネスの大傑作3rdアルバム。
イナタく粗削りなファンクネス滴る2nd『Return Of The Funkyman』も好きな作品だが、洗練されたネタ使いとプロダクションで、ソウルフルでジャジーな大人のヒップホップを見せつけた本作は、ピート・ロック&C.L.スムーズ『The Main Ingredient』あたりと並べて語りたい完成度の高さを誇る。
アルバムはノッケから「Da Sermon」「Time Ta Bounce」とインタールドっぽい短めのメロウ・チューン連発で揉み解された後、レイド・バックしたメロウ・グルーヴ「True And Livin'」と、ここまでの展開でもうメロメロに。アルバム全編に渡って聴かれる、元ジャマイカ・ボーイズ(懐かしい)のディンキー・ビンガムの鍵盤も気持ちイイ。
そんなメロメロ状態に喝を入れる、KRSワンとO.C.をフィーチャーしたマッシヴなビートの「Brainstorm/P.S.K.」は強力。かと思ったらまたまたメロウなクルーズ・チューン「Gameplan」と来て、このメロウ~ハード~メロウの緩急攻めに堪らず昇天。この「Gameplan」を再構築し、ロイ・エアーズのヴィブラフォンを大フィーチャーしたジャジー・メロウな「Soul Plan」は更に輪をかけて素晴らしいが、シングルのみでアルバムには未収録。
以降も、メロウ&グルーヴィーな「Flip Da Style」「Speak Ya Peace」、ハードな「Food For Thought」、極上スムーヴ「Hip 2 Da Game」と、執拗な緩急攻撃でもう腰ガクガクになったところに、ラストはKRSワン再登場の「No Gimmicks」、ラージ・プロフェッサー、グランド・プーバ、サダトX参戦の「Actual Facts」と極太ハードな2発。
随所に挟まれるインタールド的な楽曲もいちいち気持ちイイ、ヒップホップ黄金期を代表する名盤。