come into knowledge
Come Into Knowledge / Ramp
 ABC '77 

オハイオ出身の男女混成5人組グループの、ロイ・エアーズ・プロデュースによるレア・グルーヴ定番アルバム『Come Into Knowlege』。
もともとはサタデー・ナイト・スペシャルというトホホな名前で活動していたバンドのようだが、ロイ・エアーズに見出されアルバムを制作することになり、ロイの指示でグループ名をRAMPに改名。RAMP=Roy Ayers Music Production の略とのことで、つまり完全にロイの傀儡グループ。70年代前半にはニュー・ソウルとリンクしたジャズ・ファンク傑作を連発したロイだが、70年代後半になるとメロウなディスコ・ファンク路線へとシフト。77年リリースの本作も基本的には当時のロイ・エアーズのサウンドだが、ディスコ色は幾分抑え目で、沈静したムードが支配する、深海の闇に揺らめくようなメロウ・グルーヴに満たされるアルバム。
ザクザクしたギター・カッティングがカッコいいブギー・ファンク「The American Promise」、ディスコ・ファンクな「Give It」のようなファンク・チューンもいいが、やはりメロウ系の曲が聴きモノ。メランコリックなメロウ・ソウル「I Just Love You」、「Everybody Loves The Sunshine」はロイ本人のヴァージョンよりもグッとスロー・テンポで物憂げなメロウ・グルーヴ。ブルーなムードの「Come Into The Knowledge」、女性ヴォーカルの重なりが美しいメロウ・ソウル「Look Into The Sky」など良曲多いが、なかでもやはり白眉は「Daylight」。淡々と抑制しながらウネるベース、ジャジーなギターのフレーズ、蕩けそうなエレピの音色が気持ちいいメロウ・グルーヴ・クラシック。