future flight
Future Flight
 Capitol '81 

ラモン・ドジャー・プロデュースによる4人組バンド、フューチャー・フライトの唯一のアルバム。
同時期にやはりラモン・ドジャーが手がけたジンガラ同様、本作も80年代ソウルの傑作。このバンドの最大の魅力は、ドラムス/リード・シンガーののサイ・ジェフリーズのヴォーカル。切なさと青臭さの残る伸びやかなヴォーカルは胸にキュンキュンくる。ジャケットやグループ名から受ける通りの爽快なサウンドと、湿度高めの濡れたムードがいいバランスで存在している。
アルバムは、やはりミディアム~スロウ系の曲が良く、ジェフリーズの切ないヴォーカルに導かれ、甘酸っぱいムードが胸いっぱいに広がるメロウ・フローター「Hip-Notic Lady」、ウィンディーで涼やかなハーモニーが舞うコーラス・グループ風のミディアム・スロウ「You Should've Been There」の2曲が絶品。雨上がりの澄んだ空気を纏ったスロウ「Let Me Love You Where It Hurts」、ハーモニカが郷愁を誘う夕暮れミディアム「Foolish Things」もイイ。
一方、ファンクは軽量級だが十分にグルーヴしていて楽しめる。クールなアーバン・ファンク・ダンサーの「Walk Don't Run」、ややへヴィーに構えたファンク・チューン「24 Hour Service」、リズミカルなカッティングが効いたポップ・ナンバー「Don't Pull The Plug」、軽めのミッド・ファンク「Red Light Row」、ブライトなモダン・ソウル「Dues」、スタイリッシュなアップ「Nite People」など好曲揃い。