soul degrees
Soul Degrees / Camelle Hinds
 Victor '96 

UKのファンク・バンド、セントラル・ラインのベーシストで、スタイル・カウンシルのサポート・メンバーでもあったカメール・ハインズの96年のソロ1stアルバム。
本作『Soul Degrees』は日本のみのリリースで、99年になってようやく『Vibe Alive!』が本国イギリスでリリース。このUK盤『Vibe Alive!』には『Soul Degrees』から3曲が収録されていたが、日本盤『Vibe Alive!』はその3曲を別の曲と入れ替えてジャケットもスタイリッシュになってリリースと、何だかややこしいことに。結局アルバムはこの2枚のみに終わった不遇の人。
この2枚では、ややライトなAOR仕様の『Vibe Alive!』もいいが、70年代ニュー・ソウル的なメロウネスに満たされた『Soul Degrees』が好み。コレは当時本当によく聴いたアルバムで、マックスウェル『Urban Hang Suite』や、エイドリアナ・エヴァンスの1stと並んでお気に入りだった。ハインズはベーシストとしての技量はもちろんだが、その柔らかで瑞々しいテナー/ファルセットはマーヴィンやリロイ・ハトソン的。1曲レオン・ウェアが共作していることもあってか、アルバム全体のムードは『I Want You』に通じると言うと誉め過ぎだが、一番近いのはレオンの79年作『Inside Is Love』あたりか。
アルバムのオープニングを飾るのはシングル・リリースされた「Sausalito Calling」。ほんのりラテンを滲ます気だるいニューソウル・メロウなムードは、マーヴィン「What's Going On」とカーティス「Give Me Your Love」をミックスしたような雰囲気。メロウに層を重ねるフルートや、ハインズの狂おしいファルセットに蕩ける極上メロウ・ソウル。
やや土臭いサニーなミディアム・ソウル「Sunday Doesn't Feel The Same Witout You」、ドナルド・バード「Think Twice」使いの爽快サマー・ジャム「Heavy On Summers Vibe」、伸びやかなヴォーカルを聴かせるミディアム「Hold On To Love」、レオン調の翳りのあるミッドナイト・メロウ「Light A Candle」、スライ「Thank You」のカバーではハインズがスラップをキメまくりベーシストとしての腕前を披露。
「What's The Colour Of Love」はニュー・ソウル風のメロウ・グルーヴ。ハインズとレオンの共作となる「How Are You My Dear Today」は、まさにレオン節な哀愁メロウで堪らない。ジョニー・ブリストルあたりを思わせる穏やかなスロウ「Room Full Of Strangers」、グルーヴィーなUKソウル「I Can See A Star」、ややビミョーなヒップホップ・ソウル「It's Not Enuff!」は目を瞑るとして、70年代ソウル好きなら気に入ること間違いなしの傑作。