bustin out of l seven
Bustin' Out Of L Seven / Rick James
 Motown '79 


モータウンの異端ファンカー、リック・ジェイムスの2ndアルバム『Bustin' Out Of L Seven』。
リックと言えば81年の『Street Songs』が代表作というのは衆目の一致するところだろうが、1stアルバム『Come Get It』と本作も、完成度では『Street Songs』に譲るものの、内包するファンクネス、躍動するグルーヴ感という点では『Street Songs』に匹敵する出来だと思う。ジャケットも最高な本作は、猥雑で汗臭く、ストリート臭ムンムンなズルムケ・ファンク・アルバムで、リックのスケベ過ぎる粘着質なヴォーカルが、ファンクにバラードに蒸せ返るよう黒い体臭を漂わせる。
タメの効いたリズムに乗って粘り腰のグルーヴで迫るストリート・ファンク「Bustin' Out」、疾走感のあるナスティー・ファンク組曲「High On Your Love Suite/One Mo Hit(Of Your Love)」、咽び泣くトランペットとピアノをバックにエロい男女のやり取りが展開される「Love Interlude」、ムーディーに濡れた官能バラード「Spacey Love」、ネチッこくも洗練されたアーバン・ファンク「Cop 'N' Blow」、ゴージャスな雰囲気のスロウ「Jefferson Ball」、途中ラテン展開するファンク「Fool On The Street」と、リックのオレ様っぷりが痛快な傑作ファンク・アルバム。