the best so far
The Best So Far... / D'angelo
 Virgin '08 

長い沈黙の最中、2008年にリリースされたディアンジェロのCD+DVDの2枚組ベスト・アルバム。
『Brown Sugar』と『Voodoo』、そして『Live At The Jazz Cafe,London』からの曲が収められているが、90年代後半に数作のサントラに提供した曲を含んでいるのが本作のポイント。90年代後半当時、ディアンジェロの1曲だけを目当てにサントラ盤を買うのを躊躇っていたので、10年経ってようやく本作でまとめて聴けるようになったのは有り難かった。
「I Found My Smile Again」は、マイケル・ジョーダン主演、実写+アニメ合成のバスケット・ボール映画『Space Jam』から。フワフワとしたファルセットが心地良いグルーヴィーなR&Bナンバー。
エディ・ケンドリックスのカバー「Girl You Need A Change Of My Mind」は、ネイション・オブ・イスラムのルイス・ファラカーンが主導した100万人大行進を描いた、スパイク・リー監督『Get On The Bus』のサントラから。パーカッシヴなリズムがラモン・ドジャー「Going Back To My Roots」なんかも思わせる曲。
プリンス「She's Always In My Hair」のカバーは、大ヒット・ホラー・シリーズ『Scream 2』から。クエストラヴとラファエル・サディークとの3ピースで録音されたこの曲は、ディアンジェロの隠し切れない殿下愛が滲み出ていて、原曲に忠実ながらもディアンジェロらしいモタれ具合。
オハイオ・プレイヤーズのカバー「Heaven Must Be Like This」は、マヤ・アンジェロウ監督の『Down In The Delta』から。これも原曲に忠実な、ネットリと纏わり付くような艶っぽいグルーヴのスロウ・ジャム。『Live At The Jazz Cafe,London』の98年再発盤にも追加収録されていたが、2014年のコンプリート盤には入っていないので要注意。
「Your Precious Love」はマーヴィン・ゲイ&タミ・テレルの大名曲のカバーで、ここではエリカ・バドゥがデュエット・パートナーを務める。原曲への、そしてマーヴィンとタミへの畏敬の念溢れるディアンジェロ&エリカの、まだ初々しい佇まいが微笑ましい。学園モノのコメディ映画『High School High』のサントラから。また、マーヴィンの生誕60周年を祝ったカバー企画盤『Marvin Is 60』にも収録された。
『Voodoo』からの先行カット「Devil's Pie」は、DMXとナズ主演のヒップホップ系ギャング映画『Belly』で使われた曲だが、本作では何故か短いアカペラ・ヴァージョンを収録。「Be Here」はラファエル・サディークの初ソロ作『Instant Vintage』からの1stシングルで、ディアンジェロは客演という立場ながら存在感ハンパない。
DVDの方はPVを7曲収録したもので、Youtubeなんかで見られるモノばかりだが、コレはコレでファンとしては嬉しいのかも。個人的にはあんまり見ないけど。どうせならライヴ映像なんかを入れて欲しかったところ。